総務省の家計調査(2014年度)で世帯主が高齢で
無職の世帯では実収入が前年度より名目で
5.6%減少し、実質では8.6%減少の
170,638円ということです。
内訳を見てみると、公的資金などの社会保障給付がが名目で7.4%、
実質で10.4%の減少となっており、また、直接税や社会保険料などの
非消費支出は前年に比べ、名目で4.1%の減少で22,878円ということです。
結果、可処分所得は147,761円で、前年に比べ名目で5.9%減少、
実質で8.9%の減少となっております。
このように、働いて収入を得ることから離れ、いざ老後の生活をという状況に
入ったは良いが、可処分所得は減少する傾向にあり、今後益々この傾向は
強くなると予想されます。
先の家計調査からも、これらの世帯が1ヶ月に消費する費用は
約230,000円となっているわけですが、老後にどれくらい生きるかによって
老後の必要資金は変わって来ます。
もちろん、いつまで生きるかなんてことは自分で決められるはずも無く、
平均寿命を基に自分がどれくらい生きたいか、生きれそうかというような
視点を持って考えるわけです。
ということで、ここからは平均寿命を基に老後に必要な資金を
シミュレーションしながら今からどのような準備をした方が良いのかを考えていきます。
老後資金はいくら必要か?
先程1世帯あたりに必要な資金は1ヶ月で約230,000円だと申上げました。
これは総世帯でも統計で世帯人員の平均は1.88人(2014年)となります。
つまり、夫婦2人で老後を生活していくという仮定で試算すると
230,000円 ÷ 1.88人 × 2 ≒ 約245,000円
となります。
(1人で計算してしまうと固定費など実際の消費が単純に上記の2分の1とはいかないので
2人で試算しております。)
そして、65歳からの余命寿命は男性で約19歳、女性で約24歳ということから、
ざっくりと2人で22年間分の老後資金が必要だと考えます。
すると・・・
245,000円 × 12ヶ月 × 22年間 = 64,680,000円
が老後に必要な資金と考えることができます。
老後の収入はいくらか?
冒頭でお伝えしました1世帯あたりの可処分所得は147,761円ですから、
これを2人分で計算すると
170,638円 ÷ 1.88人 × 2 ≒ 約180,000円
となります。
先程の平均寿命を基に計算すると
180,000円 × 12ヶ月 × 22年間 = 47,520,000円
が老後に得られる収入と考えることが出来ます。
しかし、これはあくまでも現在の社会保障給付を基に試算したものですので
今後どうなるかは一考の余地ありです。
老後に自前で用意しておくべき資金はいくらか?
先の『老後資金はいくら必要か?』『老後の収入はいくらか?』の項目から割り出すと
64,680,000円 − 47,520,000円 = 17,160,000円
が老後に自前で用意しておくべき資金となります。
しかし・・・
これはあくまでも概算であって、これで絶対に安心かというとそうではありません。
先程も申しましたとおり、老後の収入はあくまでも現在の社会保障給付を基に試算したもの
ですし、非消費支出においても現在の直接税や社会保険料を基に試算したものです。
国民年金もキチンと支払っていればこそ満額頂けるわけで、そうではなく支払っていない
期間があれば満額頂けるかどうかは定かではなく減額さえる可能性が非常に高くなります。
また、厚生年金も働いて納めていた時期の平均月収によって差があるわけですから
一概に上記の金額が妥当とは言えません。
さらに言えば、いつまで生きるかなんて予想がつくばずもないわけで、
長生きしたばかりに資金がそこをついてしまい、生活が苦しくなるなんてことになったら
いかがなものでしょうか。
かと言って資金がないから長生きしたくないといのも悲しい話です。
詰まるところ、人によりけりというのが正しいでしょう。
しかも、これはあくまでも必要最小限の生活をベースに計算されたものですから、
余裕のある生活を、余生を楽しむ生活を、人生の楽しみの全てを老後で、
なんてお考えであればそれ相応の資金が必要になることは言うまでもありません。
しいて言えば、先に計算で算出された老後に自前で用意しておくべき資金
17,160,000円の倍額ほどは残して用意しておきたいところです。
老後の資金不足をどうやって賄うか?
これまでのシミュレーションによりざっくりとした老後資金の必要額が
イメージできたと思います。
何度も申しますが、あくまでもこれは一例であり、今までの働き方(夫婦共に)や
老後に希望するライフスタイル、そして、予知することの出来ない未来の経済状況により
大きく変わります。
できる限り自身の老後の収入と希望するライフスタイルをできる限り
具体的にシミュレーションし、且つ、いかなる経済状況になっても
あたふたすることのない余裕をもった計画を立てましょう。
そうすることで、現時点での老後生活に突入する際に必要な資金が
より明確になってきます。
で、老後の資金不足が具体的になればそれをどうやって賄うかですが。
金融商品を使って計画的に老後資金を準備するということであれば、
積み立て型の金融商品を利用するのも1つです。
・個人年金保険
・投資信託の積立
・外貨の積立
・変額年金保険
・定額年金保険
これらの商品のメリットとデメリットを理解し、自分に合った金融商品を選択しましょう。
『稼ぐ』ことも選択肢の1つです
これまでご紹介した内容というものは、現状を変えないであくまでも今現在の収入から
いかに貯蓄をして老後資金を賄うかという話でありました。
しかしながら、これは前提条件として
・勤めている会社が倒産しない
・クビにならない
・給料が減らない
ということが上げられます。
このことが今の時代においてどれほど不確実性の高いものであるかは
言うまでもないでしょう。
今や上場企業でさえも倒産する世の中です。
だからこそ、自分の力で稼ぐ力を身に付けるということも
選択肢の1つとして大いにありえるでしょう。
投資の勉強をするも良し。
副業でお金を稼ぐのも良し。
起業してビジネスを構築するのも良しです。
先の読めない不安定な時代だからこそ、自分の力だけが信じられるものとなりますし、
自分で稼ぐ力を養っておくだけでも、そのバックボーンが自身となり、
今のお仕事に良い影響をもたらすことは想像に難くありません。
長生きしたくないというような人生を送らないためにも、しっかりと老後のことを考えた
シミュレーションをし、準備万端後悔の無い人生を送りたいものです。