起業をする際に
「売るものがない。」
「アイデアがない。」
と、ビジネスのネタを探し出すことができずに
困っている方も多いのではないでしょうか?
ビジネスを始めるネタとしては調べればいくらでも出てくるわけですが、
果たしてそれが正しい情報なのか、自分に合っている方法なのかは
やってみないと分からないというのが本当の所かと。
たとえば・・・と、ここでビジネスネタの例を挙げてもきりがないので割愛いたしますが、
結局の所、自分ができると思えるもの、継続していけると思えるビジネスを選択し、
あとは行動に移すのみ。
起業をして、お金を稼ぐことに集中する。
これだけなのです。
とは言え、他所から拝借してきただけでは心もとないということもあるでしょうし、
それが駄目だったら・・・と不安要素が残る方もいらっしゃいます。
そこで、今回はビジネスネタを見つけるための5つの視点についてお伝えいたします。
この記事の目次
ビジネスネタその1 パクる
決して良い表現ではありませんが。
現在成功しているビジネスを他の業界でアレンジして売ることはできないか
という視点に立つということです。
たとえば、ビジネス用のスーツケース。
私も遠方へ出張する際には利用いたしますが、今では小さなタイヤ(?)が付いた
ビジネス用のスーツケースをガラガラと引っ張りながら歩いているビジネスマンを
みることは珍しくありません。
それこそ、主要な駅の構内では目にしない日がないほどです。
このビジネス用のスーツケースですが、これは元々飛行機の乗務する
キャビンアテンダント(客室乗務員)が自身の荷物の持ち運びに使っていたものです。
この便利な荷物の持ち運びの道具を一般のビジネスマンに向けて販売されたものが
今のビジネス用のスーツケースの流れなのですね。
つまり、航空関係の業界のものでしかなった荷物運搬用の鞄が
業界を変える事で爆発的にヒットしたものなのです。
また、スポーツ用のシューズは運動しやすいための靴として作り出されたわけですが、
これらの運動靴を各スポーツの専用のシューズとして開発することで、
そのニーズは一気に増えました。
また、ビジネスマンは革靴で外回りをすることが常識であったはずが、
一日中歩き回ることの疲れを少しでも軽減できるようにという視点が好評だったのか、
今ではビジネスシーンでも履くことのできる運動靴タイプのビジネスシューズ
というものさえあります。
パッと見は分かりづらいのですが、よく見て見るとこのタイプのビジネスシューズを
履いておられる方が多いことに気づきかすし、特に外回りを中心とする業務に携わって
おられる方は重宝されているようです。
と、このように今ある物を少し業界を変えて売ってみたり、同じ業界であっても
中身を変えてみることで新たなビジネスのネタを見つけることができるというわけです。
ビジネスネタその2 組み合わせる
あるビジネスとあるビジネスを組み合わせることで
全く別のビジネスのネタを生み出すこともできます。
たとえば、あんぱん。
これはパンというものに馴染みがなかった日本人にパンに親しみを持ってもらえるように、
且つ、おいしく召し上がってもらえるように工夫に工夫を重ねて出来上がったものです。
饅頭とパンを組み合わせて出来た商品の典型例とも言えるでしょう。
また、その後には、一般的だった小豆餡とは別に、白あんや芋あん、
栗あんなどが作られそのアレンジは広がりました。
さらには、あんを入れるだけでなく、クリームを入れたり、ジャムやチョコレートを
入れるなどもはやあんぱんからは程遠い商品まで作り上げられております。
今ではパンの中に入れるのではなく、焼きそばを挟んだり、たまごを挟んだりする
というようなサンド型のパンも現れ、これはあんぱん型とサンドイッチ型の
コラボ商品とも言えるかもしれません。
あんぱんから派生した商品郡はまさに組み合わせることで
出来上がった商品ばかりなのです。
もう1つ例を挙げましょう。
今ではオフィスの一風景としてしっかりと定着した感のある『置き菓子』。
これはグリコが少子化の影響でお菓子の需要が停滞気味であったことから販売先を
オフィスに置いた販売手法で、この販売手法はご存知のとおり、薬を販売する手法として
昔からある富山の『置き薬』からヒントを得たに他なりません。
お菓子の販売と薬の販売手法を組み合わせたことによる
新しいビジネスであると言えるでしょう。
この販売手法は『置き菓子』だけにとどまらず、今となっては惣菜や野菜の販売にも
取り入れられ、その活用法は広がっています。
このようにあるものとあるものを組み合わせることで別の商品を誕生させることは
珍しくないですし、実は全く一からの新しい商品なんてものは少なく、
組み合わせによる新しい商品の開発は非常に多いのです。
ビジネスネタその3 簡単にする
現代の忙しい生活スタイルを余儀なくされる方にとって、
『簡単にする』ということは大きなビジネスチャンスを要します。
たとえば、PETボトルに入ったお茶。
これなどは簡単にお茶を飲めるようにした最たる例で、普通に考えると茶葉を購入して
家で煮出すほうが圧倒的に低コストで大量のお茶を作ることができますので
断然お得なわけですが、この煮出すという行為そのものが時間が取れなかったり、
煩わしかったりするわけで、その需要を的確に捉えた商品だと言えるでしょう。
その他にも手軽に、簡単にした商品は多数あります。
・デスクトップ型のパソコンを持ち運べるようにした商品がノート型のパソコン
・鉛筆を削らなくて済むようにしたシャープペンシル
・そろばんを誰でもすばやく、間違いなく計算できるようにした電卓
・麺をゆでる必要のないカップ麺
・チャンネルの切り替えを手元でできるようにしたコントローラー
・クラッチを踏む必要をなくしたオートマティック車
などなど
今ざっくりと思い浮かべただけでもこれだけの商品が出てきますが、
これらのように簡単にすることは時間を生む、思考を休ませるという価値が
生まれることになるので新しいビジネスのネタになるというわけです。
ビジネスネタその4 セットにする
先の『簡単にする』と似ておりますが、こちらは1の完成品(完成させるための品)を
あらかじめセッティングしておくことで選ぶ手間を軽減するという視点に立ったものです。
たとえば、料理を完成させるための材料をセットにした商品などはその最たる例でしょう。
おでんの具をあれやこれやと選択する時間が惜しく、且つ、帰宅してから切ったりなどの
事前準備が煩わしいというニーズにマッチした商品と言えるでしょう。
その他にも子供が使用するおもちゃの組み立てキットや、
組み立て式の家具もセットする販売手法の一部ですね。
このように相手の手間暇を事前に補っておくことは新しいビジネスのネタとなります。
今あるものの中で「これがこうなってたら?」という思考で物事を見て見ると、
新しいビジネスのネタが思いつくかもしれません。
ビジネスネタその5 分ける
『セットする』の逆ですね。
セットされていることで不要なものまで購入せざるを得ないという
デメリットが生じることもあります。
先ほどのおでんの例で言えば、セットの中に嫌いな具材が入っていても購入せざるを
得ないわけです。これではせっかくのセット販売も大きな足かせとなるやもしれません。
そこで、考えられる思考法が『分ける』ということです。
『食』つながりでお話しすると、単品のおかずをチョイスしながら食事のメニューを
決めることができるのは、従来の定食の販売手法を分けて販売することにより
「好きなものを好きなだけ」というニーズに応えた食事の提供の仕方と言えるでしょう。
まさじく分けることで新しいビジネスが生まれた典型例です。
時代はニッチなところにフォーカスする傾向にあり、今後はこのようにあえて細分化
することにより新しいビジネスのネタを見出すことが増えてくるかもしれません。
ビジネスネタ(番外編) 『○○業』という固定概念を外す
ビジネスのネタを探すという意味では少し外れたテーマになりますので、
番外編という形でお届けしますが、自身のビジネスを固定された概念に囚われすぎる
ことで新しいビジネスのネタを見出すことができないということがあります。
かつて、アメリカの鉄道会社はとあるビジネスの発生により
バタバタと倒産の憂き目に合うこととなりました。
このとあるビジネスとはトラック配送(運搬)業です。
人や荷物の移動手段として鉄道は利用されていたわけですが、当然のことながら
その移動は駅から駅ということになります。
しかしながら、本来移動したいのは自宅から宿泊先だとか、会社からお客様の
会社など、駅から離れた場所が出発地点であり到達地点であるのです。
つまり、出発地点(もしくは到達地点)から鉄道が走っている駅までの移動を
自力か鉄道以外のものに頼らなくてはならなかったということになります。
もちろん、この需要があることには気付いていたものの『鉄道業』である鉄道会社には
どうすることもできず、ただただ、何らかの形で駅まで起こし願うほかなかったわけです。
ところが、そこで出てきたのがトラックによる荷物の運搬業。
当初は出発地点(もしくは到達地点)から鉄道が走っている駅までの移動を担うものでしか
なかったわけですが、鉄道で移動した先でもまたトラックを利用することを考えると、
はじめから到達地点までトラックで担うほうが理に適っているということもあることに
気付きます。
そうこうしているうちに荷物の運搬の大半をトラックに奪われた鉄道会社は、
悲しい結末を迎えることとなったというわけです。
では、このような悲しい結末を迎えない為にはどのような思考が必要だったのでしょうか?
それは・・・
『鉄道業』ではなく『陸上運搬業』であるという認識のもとに
ビジネスをするべきであったということです。
この思考が鉄道会社の役員に備わっていれば、鉄道会社だからと駅とその他の場所との
移動手段の提供も考えたでしょうし、より鉄道を利用しやすくなる方法も考えたことでしょう。
このように『自分のビジネスは○○業である』という固定概念が
新しいビジネスのネタを葬る1つの原因となるというわけです。
たとえば、スターバックスなどはその最たる例かもしれません。
スターバックスはご存知ビジネスマンが足しげく通うカフェでありますが、
そのビジネスモデルは決して『珈琲の販売業』ではありません。
多くのビジネスマンがスターバックスに求めているものは『おいしい珈琲』ではなく、
『癒される空間』であり『仕事にしやすい空間』なのです。
つまり、スターバックスが販売しているものは珈琲であっても、その実態は
『特別な空間の提供』にあり、その対価をいただく手段の1つとして
珈琲を提供しているということになります。
このように自分のビジネスを固定された概念の中に閉じ込めてしまうことで
新たなビジネスが生まれることを葬ってしまっていることにもなりかねませんので、
自分のビジネスがいったい何業なのかを改めて見つめなおしてみることは
良いことかもしれません。
ということで、ビジネスのネタを探すための5つの視点をお伝えいたしました。
とにもかくにも新たなビジネスのアイデアを生む為には柔軟な発想が重要です。
視点を変えることはもちろんのこと、着眼点も変えて行きながら
複数の思考を生み出す工夫をしましょう。