人間は独りでは生きていけませんし、ビジネスにおいても
独りで完結させることは出来ないことは言うまでも
ありません。
必ず他の1人以上の誰か(第3者)とコミュニケーションをとることで
初めて成り立つものです。
そして、2人以上のコミュニティがあれば当然のことながら必要になってくるのが
コミュニケーションをとる能力ということになります。しかし・・・
このコミュニケーションをとる能力において多くの方が
・相手と上手く話すことが出来ない。
・グループの中に溶け込むことが出来ない。
・返事に窮することが多い。
・多くの意見を取りまとめるのが下手だ。
・相手の意見を尊重することが出来ない。
などと悩みを抱かれています。
この記事をご覧になっているあなたはもしかするとこのような悩みを
抱える1人かもしれません。
インターネットの技術が発達し、相手の方と会わずとも、話すこともしなくても、
ビジネスを成立させることも可能となりました。
とは言え、文章のやり取りだけであってもコミュニケーションは必要です。
つまり、コミュニケーションをとる能力はビジネスをする上で、生きていく上で
欠かすことができないスキルの1つで、だからこそ、コミュニケーションをとる能力を
身に付けたいと思い悩む方がたくさんおられるのです。
そこで、今回はこのコミュニケーションをとる能力について1つの定義と
3つの抑えるべきポイント、そして、5つのスキル上達習慣をご紹介します。
この記事の目次
■ コミュニケーションをとる能力の1つの定義
コミュニケーションをとる能力について考える前に知っておかなければならいことがあります。
それは、コミュニケーションをとる能力とは決して話し上手であるということではなく、
他者とコミュニケーションを上手に図ることができる能力のことを言います。
ただ、これだと『コミュニケーションって何?』となりますよね。
コミュニケーションとはあらゆる手段を用いて自身の伝えたいことを相手の方(達)に
しっかりと伝えること、及びその双方向性が成立していることを言います。
まとめると、コミュニケーションをとる能力とは自身の伝えたい考え方や感情、
その他には知識・知恵などを言語や表情、アクション(身振り手振り)を用いて
相手が理解できるように伝える能力であると共に、反対に相手から伝えられる側に
立った場合にこれらの情報をしっかりと理解しようと努力し、
理解するに至る能力のことです。
■ コミュニケーションをとる能力の3つの抑えるべきポイント
相手と何らかのコミュニケーションをとるということは、その必要性があるからこそ
そのような行動に至るわけですが、そこで抑えておかなければならないポイントが
あります。
目的を明確に
コミュニケーションをとるということは、そこには何らかの果たしたい目的があるはずです。
彼女と仲良くなりたい!
組織の売上UPを図りたい!
受注した商品をミスなく完璧に商品化したい!
などなど
このような目的があるからこそ、コミュニケーションをとって
1つ1つ課題をクリアしていくことになります。
しかしながら、コミュニケーションをとることそのものが目的化してしまうと、
ただただ情報の伝達をスムーズにすることだけが優先され、結果、
果たしたい目的がないがしろになるということにもなりかねません。
果たしたい目的が達成されずに、コミュニケーションがとれたとして、
そこに意味があるでしょうか?
当然のことながら、そこに意味などありません。むしろ、無駄なコミュニケーションを
とるという時間的なロスと精神的なロスが発生することになります。
だからこそ、コミュニケーションをとる能力というものを考えた場合に抑えておきたいことは
『何のためにコミュニケーションをとるのか?』
という目的を明確にしておく必要があるということです。
そして、目的が明確になれば、誰と、どんな、コミュニケーションが必要かが必然と
明確になってきますので、当たり前のように感じるかもしれませんがまずもって
コミュニケーションをとる目的をしっかりと明確にするということを覚えておいてください。
強い言語、分かりやすい言語を用いる
情報を相手に伝えるためには、相手が理解できるように伝える必要がありますし、
相手の頭の中に記憶として刻むためにも印象深くする工夫をする必要があります。
例えば、小学生の子供に算数の『鶴亀算』を教えるとします。
この時に教える側の人が『鶴亀算』の仕組みそのものは分かっているけれども、
小学生の計算の仕方を覚えていないからと言って『X』と『Y』を使って
説明したらどうでしょうか。
かなり先に至る予習をしていない限り、かなり優秀な知能を持った子供でない限り、
この教え方では理解することができません。
これは、理解できない小学生が悪いのではなく、情報を伝える教える側が
相手に理解できるように伝えていないことに問題があるのです。
また、この計算方法を教えること1つ取っても、相手のタイプ(性格や知能レベルなど)や
その時の環境(場所や心情など)のよって教え方を変える方が伝わり易くなったりもします。
褒められたら成長するタイプや叱ったり、なだめたり、強制したりすることで
成長するタイプなど相手によってコミュニケーションのとり方が変わるのは分かるはずです。
これらのように相手や状況を考慮しながらコミュニケーションをとることも
重要なポイントとなります。
言語以外もフル活用する
直接会ってコミュニケーションをとる場合、間違っていない言葉、分かりやすい言葉を
選んだとしても、全くの無表情ではその効果は半減します。と言うか、場合によっては
半減どころかマイナス効果になることも少なくありません。
相手の謝罪の意を述べる時に無表情では、相手の方は
「本当に申し訳ないと思っているの?」
と感じてしまうのが普通です。
たまーにありますよね。企業が何らかのミスを犯して、その謝罪会見をする場で
表情の豊かさに欠け、事前に用意された紙に書かれた文章をただひたすら読み上げて
最後に「この度は申し訳ございませんでした。」と言って頭を下げるというシーンが。
このようなシーンを見た多くの方は先のように
「本当に申し訳ないと思っているの?」
と感じているはずです。
では、このような場合はどのようなリアクションを取った方が良いのでしょうか。
あくまでも一例でありますが
・涙を流す
・土下座をする
・深く頭を下げる
・長い時間を掛けて頭を下げる
・お詫びの気持ちを形で表す(金銭解決、責任の取り方など)
などといった言語とは違う側面からコミュニケーションをとる必要があります。
表情や身振り手振りもコミュニケーションをとる上で重要なポイントであることを
認識しておいてください。
これは直接会わずとも、絵を使う、画像を使うということも言語以外の
コミュニケーションという意味では同じことですね。言語だけでは伝わりにくい
部分を補完するという有効的な活用法を身に付けてください。
■ コミュニケーションをとる能力 5つのスキル上達習慣
最後になりましたが、より早くコミュニケーションをとる能力を高めるための
5つの習慣をご紹介します。
否定を使わず、プラスアルファをする
相手からの情報伝達を受け、返す言葉に、
「でも」
「と言うよりも」
など、相手の言葉を否定する言葉を使用する方がおられます。
本人たちは『否定』という強い意味で使っている意識は少なく、相手とは違う意見を
述べたい時に『接続詞』のような使い方をされていることが多いです。
「そうですか。でも、○○も良いですよね。」
という感じで。
ただ、この『でも』が入ったばかりに、本来「こちらも良いですよね。」という
他の選択肢を用意したかっただけなのに、「こちらの方が良いですよね。」という
相手の意見を否定した形に伝わってしまうこともあります。
コミュニケーションが密にとられていない相手であれば、なおさらです。
このような場合は、否定をするような言葉を使わず、『加えて』『さらに』『それに』など、
相手の意見に付け足すような言葉を選ぶと良いでしょう。
「そうですか。それに、○○も良いですよね。」
こちらの方が相手に与える印象が良いのは分かりますよね。
だからこそ、否定ではなく、肯定的に言葉を選ぶ習慣を身に付けることで
コミュニケーションをとる能力を高めることができるというわけです。
事実か否かを明確にする
洗練されたコミュニケーションをとることは高い能力を必要とします。
にも拘わらず、事実ではない事をコミュニケーションをとる中に用いることは、
いたずらにコミュニケーションの精度を低下させる元です。
「Aさんは私の足を引っ張っている。」
「Bさんはいつも公園でサボっている。」
など
第3者の感情的な部分は本人に確認しない限り明確なところは分からないはずなのに、
その事実確認もせず、自身の持つ感情や他人からの噂話を元に、あたかも事実で
あるかのように話をしてしまうことは、その場限りの一過性のコミュニケーションを
とることには友好的なことがある場合もありますが、往々にして良い結果を招くことは
ありませんので、事実でないことを事実として伝えることは避けるべきです。
思いも掛けず目的地に向かうための近道を見付けたつもりが、そのまま歩みを進めれば
その先は行き止まりだったということにもなりかねませんし、最悪、谷底へと
滑り落ちてしまうこともあるので。
問題を無駄に大きくしてしまうような事実と異なる情報伝達は避け、
事実を明確に伝えると共に、不明確な情報は事実として伝えない、
事実として解釈されるような伝え方をしないということを徹底しましょう。
相手のことを理解する
ビジネスでよく使われる言葉の中に
『お客さまのことを考える』
『顧客視点で』
などと言うものがあります。
こういったことが言われる背景にはお客様の立場に立って考えずに
『儲けるためには』といった販売者側の視点に立った商品やサービスが
氾濫しているためです。
これは『お客さまにとっては○○があった方が良いのは理解できるが、
それを加えることによって自社ではなく他社製品を使用しなければならなくなるので
自社が儲けることが出来ない。』というような自分目線の考え方です。
この対応は一時的には自社が儲けることに繋がるかもしれませんが、
競合がお客様のニーズにマッチした商品やサービスを提供するようになれば
儲けることは出来なくなりますし、さらに言えば、自社が儲けることを優先して
お客さまに時間的ロスや精神的ロスを無理強いしていたことが知れれば、
儲けることが出来なくなるばかりか信用までも失うこととなり、
その先のビジネスが立ち行かなくなることもあり得ます。
つまり、相手のことを理解しようとしなかったことが
自分の足を引っ張ることに繋がったということです。
このことはコミュニケーションをとる場合にも同じことが言え、
相手のことを理解しようとせずに一方的に自分のことを、自分の立場を優先したことを
伝えるだけでは相手との円滑なコミュニケーションをとることはできません。
なぜなら、どちらか一方だけが得をするようなコミュニケーションなど存在しないからです。
恋愛の場においては相手のことを好きにならないと好きになってもらえないというようことも
言われたりしますが、まさしくコミュニケーションとは相手のことを理解することで
相手に自分のことを理解してもらえるのです。
しっかりと相手のことを理解する努力をしましょう。
じっくりと相手の話を聞く
これは、『相手のことを理解する』ということに通じますが、
相手のことを理解するためにも相手の話はじっくりと聞く必要があります。
コミュニケーションと言うと、多くの方が一生懸命に話すこと、
を意識しがちですがそうではありません。
基本的に人は自分のことが大好きな生き物で、他人のことには本来関心がないのです。
そんなところに自分のことばかり話す方とコミュニケーションをとろうしたところで
上手くいくでしょうか。
当然のことながら上手く行く筈もなく、話されている側は相手のことを理解しようと
思わないばかりか、「この人、自分のことばかり話して鬱陶しい。。。」というような感情を
抱かせてしまう可能性すらあります。
だからこそ、円滑なコミュニケーションをとるためにも、相手には自身のことを話させ、
それをじっくりと聞く姿勢を持つことが重要なのです。
自分のことが好きだからこそ、自分のことを熱心に聴いてくれる相手のことを
好きになりますし、相手が自分のことを好きになってくれれば
円滑なコミュニケーションをとれるというわけです。
そこで1ポイントアドバイスをすると、相手に自分のことを話させるためにも
沈黙を利用しましょう。基本的に人間は沈黙を嫌います。
それゆえに沈黙を打ち破るべく話をし出すというわけです。
ということで、相手に自身のことを話させ、それをじっくりと聞く姿勢を持つように
しましょう。そうすることで円滑なコミュニケーションをとることができます。
相手のバックボーンを知る
質の高いコミュニケーションをとる上で重要なことは相手の立場に立つことです。
相手の立場に立つということは相手のことを理解すること、相手の話を聞くことで
ある程度可能にはなりますが、根本的な部分を押さえることを外してしまうと、
その効果は半減してしまいます。
では、その根本的な部分とはどういうことでしょうか。
それは・・・
相手のバックボーンを知るということです。
少し抽象的な表現になってしまっておりますが、例えば、出身地やお国柄、
家族構成やその他歩んできた道で得られて来たであろう事もろもろを把握する、
把握するように努力するということです。
例えば、子供を教育する際によく使われることとして
「我が子を1人の人間として接することの重要性」
が説かれたりします。
自分のときはこうだった。
こうなって欲しい。
あれは駄目、これは駄目。
などなど
とかく親は自分の理想を我が子に追い求めがちです。
我が子はちゃんとした1人の人間であるにも拘わらず、さも自分の分身、
ロボットであるかのように錯覚してしまう一例です。
このことで生ずる弊害は言うまでもありません。
自分のことを理解しようとしない親の言うことを素直に聞こうとするでしょうか。
ということです。
このことからも分かるように通常行われるコミュニケーションの中で
行き交いする情報は全て相手の思考を通したものになっているということを、
予め理解しておく必要があります。
相手は決して自分ではないですし、自分と同じ考え方を持っているわけでは
ないということを知る必要があるということです。
それが出来なければ、本当の意味での質の高いコミュニケーションなど
とれるはずもないということを覚えておいてください。
ということで、コミュニケーションをとる能力を高めるためにその定義をしっかりと
把握しておくと共に、コミュニケーションをとる能力の3つの抑えるべきポイントと
5つのスキル上達習慣をお伝えいたしました。
コミュニケーションなくして社会と融合するとこはありえませんので、
しっかりとコミュニケーションをとる能力を身に付けてください。