Facebookやブログなどを含むソーシャルメディアの
充実によって以前では大企業しか使えなかった
メディアというものが個人が簡単に使えるように
なってきております。
このような状況の中で気になるのがコピーライティング。
つまり、ライティングを駆使した書き方をすることでいかにして多くの方に
メッセージを届けるかということに意識を傾ける方は少なくありません。
・反応のとれるキャッチコピーはどんなものか?
・リード文の書き方は?
・どの順番で書くのがベターか?
など
もちろん、コピーライティングとはそれだけでビジネスが成り立つほど、
その書き方に関するスキルは非常に重要なものであり、
スキルが高いに越したことはありません。
しかしながら、コピーライティングにおけるその書き方は
スキルの向上に勝るとも劣らないほど重要なことがあります。
今回は日本語を使ったコピーライティングの書き方という観点から
お話しいたします。
この記事の目次
■失敗しないためのコピーライティングの書き方1 ひらがならいてぃんぐ
日本独特の文字であるひらがな。
その成り立ちは定かではありませんが、
漢字が元になっていることは間違いないようです。
漢字にはそれぞれに複数の意味を成すことがある一方で、ひらがなは『音』としての機能が
重要視され、本来ひらがなそのものが意味を成すということはありません。
(ひらがなを使って何らかの意味を表現するということはあります。)
それゆえに、ひらがなだけで全ての表現を可能にするとも言えます。
ただ、意味を持たない一方で、意味を持たないからこそ文字にした時に
読みにくさがありますが、話しことばとしてはひらがなを使うことこそが
一番伝わり易いのではないでしょうか。
なぜなら、話しことばは大半の方が書き言葉よりも先に身に付けるもので、
大半の方が一様に使うことの出来る表現法だからです。
では、文章による表現はできる限り漢字を使えば良いのかと言うと、
そうではありません。
漢字を多用することで、その漢字を読めない方が増える可能性は高まりますし、
漢字の意味を理解するアクションを都度行わなければならず、そのアクションが
本来の伝えたいニュアンスを阻害する要因ともなりかねないからです。
そもそも、話しことばとしてはひらがなを使うことが伝わり易いということは、
反対に書き言葉としては漢字の方が伝わり易いということには直結せず、
むしろ、話しことばが伝わりやすい表現法であれば書き言葉にも話しことばの
エッセンスを盛り込むことで伝える文章から伝わる文章へと変化させることが
出来るはずです。
ひらがなを上手に使った『ひらがならいてぃんぐ』のコツをご紹介します。
副詞や補助動詞はひらがなで
副詞や補助動詞など必ずしも漢字で使わずとも相手に伝わるものは、
あえて漢字に変換せずにひらがなを使う方が読み手に親切な場合が多いです。
特に副詞や補助動詞に隣接して漢字を使用するときなどは、
なおさらひらがなにした方が読みやすいでしょう。
「是非」 ⇒ 『ぜひ』
「丁度」 ⇒ 『ちょうど』
「出来る限り」 ⇒ 『できる限り』
「残して置く」 ⇒ 『残しておく』
「歩いて行く」 ⇒ 『歩いていく』
「見て来る」 ⇒ 『見てくる』
「して欲しい」 ⇒ 『してほしい』
「して下さい」 ⇒ 『してください』
「お越し頂く」 ⇒ 『お越しいただく』
「聞く所」 ⇒ 『聞くところ』
大まかなルールとしては具体的な動作や限定的なものを表現する場合は
幹事を使う方が良い場合が多いですが、抽象的な表現する時や補助的な表現に
用いる場合はひらがなの方が良い場合が多いです。
ひらがなの方が読みやすいと思われる表現
この後に示す参考サイトの注釈にもありますが、あくまでも主観による
『ひらがなの方が読みやすいと思われる表現』を上げております。
言葉を使う状況や伝える相手により表現方法に良し悪しは変わりますので、
漢字を使うか、ひらがなを使うかの判断はご自身でお願い致します。
では、ひらがなの方が読みやすいと思われる表現リストです。
「更に」 ⇒ 『さらに』
「殆ど」 ⇒ 『ほとんど』
「下さい」 ⇒ 『ください』
「事」 ⇒ 『こと』
「物」 ⇒ 『もの』
「1人・2人」 ⇒ 「ひとり・ふたり』(一人・二人は可)
「そう言う」 ⇒ 『そういう』(実際に声を出していれば漢字)
「お早う」 ⇒ 『おはよう』
「そんな風に」 ⇒ 『そんなふうに』
「あちらの方」 ⇒ 『あちらのほう』
「出来るだけ」 ⇒ 『できるだけ』
「恐る恐る」 ⇒ 『おそるおそる』
「何時か」 ⇒ 『いつか』
「何処か」 ⇒ 『どこか』
「何故か」 ⇒ 『なぜか』
「いいよ」 ⇒ 『いいよ』(『よい』との混同回避)
「捗る」 ⇒ 『はかどる』
「後で」 ⇒ 『あとで』
「あの人達」 ⇒ 『あの人たち』
「電話を掛ける」⇒ 『電話をかける』
「一通り」 ⇒ 『ひととおり』
「御免なさい」 ⇒ 『ごめんなさい』
「丁度」 ⇒ 『ちょうど』
「時間が経つ」 ⇒ 『時間がたつ』
「使い易い」 ⇒ 『使いやすい』
「何でも」 ⇒ 『なんでも』
「言って頂いた」⇒ 『言っていただいた』
(参考)@tarareba722 のツイートから
本日も素人さんの原稿をチェックしているのですが、先日少し書いたように「特にこだわりがなければ開いた(平仮名にする)ほうが読みやすくなる表現」の一覧をザッとまとめてみました。まったく意識していない人が少し気をつけると、かなり変わります。 pic.twitter.com/kP5gq2aFbR
— たられば (@tarareba722) May 30, 2015
難しい漢字はひらがなにする
読み方が分かりづらい難しい漢字はひらがなを用いた方が伝わるのは当然のこと。
漢字変換で安易に漢字に変換できるからこそ気を付けたい気遣いの少ない
漢字の使い方には注意が必要です。
「躑躅 」 ⇒ 『つつじ』
「満点星 」 ⇒ 『どうだんつつじ』
「鬼灯 」 ⇒ 「ほおずき』
「叢 」 ⇒ 『くさむら』
「湯湯婆 」 ⇒ 『ゆたんぽ』
「十八番」 ⇒ 『おはこ』
「丁髷」 ⇒ 『ちょんまげ』
「丁稚」 ⇒ 『でっち』
「咄嗟」 ⇒ 『とっさ』
「黄昏」 ⇒ 『たそがれ』
「天晴」 ⇒ 『あっぱれ』
「醤油」 ⇒ 『しょう油』
「向日葵」 ⇒ 『ひまわり』
上げ出したらキリが無いのでこの辺にて。
ということで、ひらがなを駆使して伝える文章から伝わる文章へ
変化させる『ひらがならいてぃんぐ』をご紹介致しました。
文章というものは伝わって初めて意味の成すものですから、
文章を書くときは『伝わる』ことを意識すると共に、
その為にひらがなを上手に使う工夫をしてください。
引き続き、カタカナの使い方についてお伝えします。
■失敗しないためのコピーライティングの書き方2 イキってカタカナを使いまくることの愚
『いきる』とは関西を中心に使われる方言で意味は色々ありますが、
ここでは『調子に乗る』というような意味だと解釈してください。
今から伝わり易いライティングについてお話しするわけですが、
のっけから分かりづらい言葉を使ってしまったことを申し訳なく思う次第です。
ただ、この例は少し主旨とはずれるのですが、やたらとカタカナが使われていることで
『分かりづらい』『意味不明』『日本語で言ってくれれば意味がわかるのに』と
思うようなことはないでしょうか。
日本語におけるカタカナの主な使い方の1つとして上げられるのが
外来語を表すことです。
外来語とはご承知の通り、外国語の単語であったり表現の一部が
日本に流入してきて日本語的に使われるようになったもののことを言います。
このように一般化した外来語をカタカナで表現することそのものには
問題がないのですが、中には一般化していないごく一部の範囲で
よく使われているのであろう外来語らしき言葉をカタカナで
表現しているものをよく目にします。
これらの一般化していない外来語のカタカナによる表現は、
かなり理解しづらいものがありますし、決して好ましい
ライティング法とは言えません。
ということで、わざわざイキってカタカナを使わなくても、
漢字やひらがなで表現した方が分かり易いのではないかと思われる
言葉をご紹介すると共にカタカナの効果的な使い方をご紹介いたします。
カタカナを使わない方が伝わり易い言葉13選
[アジェンダ]
1 計画。予定表。議事日程。協議事項。特に、政治・政策的な分野で、
検討課題、行動計画、の意で用いることが多い。
2 スケジュール帳。備忘録。
3 教会の礼拝定式。
[エビデンス]
1 証拠。証言。
2 医学で、臨床結果などの科学的根拠。その治療法がよいとされる証拠。
[エンパワーメント]
1 権限を与えること。
2 社会福祉政策において、従来のサービスを提供するやり方とは別に、受益者に直接手渡す
補助金を増やして、それを選択する権利を与え、政府の介入や裁量を減らそうという考え。
[オーソライズ]
正当と認めること。公認すること。
[オルタナティブ]
二者択一。また、代案。代替品。
[コンソーシアム]
1 協会。組合。連合。
2 開発途上国に対する援助方式を調整するために、先進国が結成する会議。
国際借款団。債権国会議。
[サーベイランス]
1 監視。見張り。また、監視制度。
2 感染症・環境汚染・経済などの動向について専門機関が調査・監視を行うこと。
[スキーム]
計画。企画。体系。枠組み。
[補説]英語では、謀略、陰謀の意味もある。
[スクリーニング]
1 ふるいにかけること。選抜。選別。「特定の個体だけを―する」
2 迅速に結果が得られる簡便な検査を行うことによって、
集団の中から特定の病気が疑われる人を選び出すこと。
[トレーサビリティー]
《跡をたどることができることの意》農産物・食品・医薬品・工業製品などの商品や
その原材料・部品などを個別に識別し、生産から加工・流通・販売・廃棄までの
過程を明確に記録することによって、商品からさかのぼって履歴情報を
確認できるようにすること。また、そのシステム。生産履歴管理システム。
[バジェット]
1 経費,運営費,生活費
2 (国家などの)予算(案);予算執行計画(案)
3 (限られた)たくわえ,供給
4 (手紙・ニュースなどの)集積,束.
5 ((形容詞的))((婉曲))つましい予算の(人のための)
[パブリックコメント]
公衆の意見。また、公的機関等が命令・規制・基準などを制定・改廃する際に、
事前に広く一般から意見を募ること。意見公募手続き。パブコメ。PC。
[補説]国の行政機関が命令や規制等を定める場合には、行政手続法により、
その案および関連資料を事前に公表し、一定の期間を設けて広く一般の
意見を求めることが義務づけられている。多様な意見・情報・専門知識を
集め、公正な意思決定に役立てることが目的。地方公共団体でも
条例を制定して同様の手続きを導入している。
[リスペクト]
尊敬すること。敬意を表すこと。価値を認めて心服すること。
「彼の音楽を愛し、―する後輩たちが作り上げたカバーアルバム」
以上、13個のカタカナを使わない方が伝わり易い言葉をご紹介しました。
当然のことながら、言葉を使う状況や伝える相手により、
上記に選んだ言葉であってもカタカナで使用するほうが
良い場合もあることを付け足しておきます。
尚、各々の言葉の意味においては『goo辞書』からの引用になります。
カタカナの3つの効果的な使い方
①強調する
本来、漢字やひらがなで書くべきところをあえてカタカナで表現することで、
言葉そのものを強調することを狙ったものです。
【例】
・愛する → 君のことをアイシテイル
②ぼかす
強調とは反対に漢字やひらがなで表現することで言葉の意味が思った以上に
強く表現されてしまう場合に、あえてカタカナで表現することで
その言葉の意味をぼかし、やわらげてしまう効果を狙ったものです。
【例】
・侮辱する → あの人のことをディする
③埋没を防ぐ
ひらがなの文字列の中にひらがなで表現すると、その言葉が埋没してしまい
意識を留めおかれずにそのままスルーされてしまうことを防ぐ為に、
あえてカタカナで表現することで意識を留める効果を狙ったものです。
【例】
・ばらとひまわりが好き → バラとヒマワリが好き
ということで、イキってカタカナを使いまくっても本来の目的である
伝わる文章になっていなければ何にもなりません。
カタカナを使うにはカタカナを使う理由や意図をしっかりと考えて
効果的な使い方しましょう。
以上で、ひらがなとかたかなという視点から見たコピーライティングの
書き方についてお伝えいたしました。
コピーライティングスキルそのものだけに捉われるのではなく、
ひらがなとカタカナといった日本語としての活用法も上手に駆使することに
よって『伝える』ライティングの書き方から『伝わる』ライティングの
書き方へと変化させることができるかもしれません。