起業に失敗するかもしれないから、
もう少し実力を付けてから・・・。
こんなことを言って起業に踏み切れない人が、
私のクライアントにも数多くいます。
起業失敗のリスクは誰しも等しくあるわけですから、
そう考えてしまうのはしょうがないです。
でも、起業に失敗するかもしれないからという理由だけで、
起業への夢に一歩を踏み出せないこと。
これはやっぱりもったいないなと思ってしまいます。
確かに起業に失敗はつきものです。
でも、起業に失敗してもその被害を最小限に抑える方法。
これは存在します。
そもそも、何を持って起業に失敗したと解釈するのかは分かりません。
人それぞれだと思います。
なので、今回は売上が減ってしまった時に、
「起業に失敗したかも」と思わないようにするための6つの掟。
そして、困ったときの3つの秘策についてお話しします。
この記事の目次
起業に失敗しないための掟①:会社にお金を残す
起業に失敗したということは、会社にお金が残っていない状態に陥ったことになります。
つまり会社にお金がある限りは、起業に失敗したとは言えず、まだまだ再起は可能です。
売上が増えていくと、役員報酬を上げがちになります。
でも、役員報酬は期が始まってから3か月間で決めないといけません。
でも、その後9か月の売上がどうなるかは誰にも分からないわけです。
期の始まりが4月の会社は6月中に役員報酬を決めなくてはいけません。
そこで調子に乗って役員報酬を上げてはみたものの、
その後の売上が思うように上がらなければ。
会社は赤字に転落します。
もちろん、役員であるあなたの手元には数字上はお金が残ることにはなりますが、
結局会社のお金を自分の給料で補てんするようなもの。
これでは何の意味もありません。
起業に失敗しないためには、とにかく会社にお金が残るようにすること。
ここは意識しましょう。
起業に失敗しないための掟②:下手な節税をしない
決算が近づくと、思った以上に利益が残ってしまったという贅沢な悩みが出てきます。
そんな時に高級車を買ったり、不必要な備品を買ったりして、無駄に節税しようとします。
でも、これは大きな間違い。
私に言わせれば、税金を払う方が結果として会社に残るお金は多くなります。
税金は稼いだ金額以上の支払いは発生しません。
だから確実に会社にお金は残ります。
でも、下手な節税をしてしまうと、お金は残らない代わりに、無駄なものが増えてしまう。
車なんて買ったら、それこそ維持費もかかってきます。
儲けが出たら不必要な節税をせずに、きちんと税金を支払う。
こうすれば会社にお金は残るわけですから、結果として売上が苦しくなっても、
すぐに起業に失敗することはありません。
起業に失敗しないための掟③:毎月の経費額を把握する
通帳の数字だけで利益が出ていると勘違いしている人は気を付けてください。
起業に失敗する人の典型的なパターンです。
売上が調子いい時は、どんなに経費を使っていても通帳の金額は増えていきます。
でも、いざ売上が落ちてしまっても、経費が落ちることはありません。
毎月、経費をどのくらい使っているのかを確認して、設定以上は使わないようにする。
こういう考え方をしていかないと、確実に起業に失敗します。
調子が良い時ほど、無駄遣いを改めて、きちんと経費管理を徹底する。
これこそ起業に失敗しないためには必要です。
利益はたくさん出てしまいますが、その分会社に残るお金も多くなります。
そうすれば少しの売上の落ち込みくらいでは、ビクともしない骨太の会社になります。
起業に失敗しないための掟④:拡大しない
私は会社を拡大することに対して否定はしません。
でも、起業に失敗する人の多くが、拡大路線の失敗が原因となっています。
拡大する際には銀行にお金を借りておこなうわけですが、
もしその計画が失敗したら後は悲惨です。
起業に失敗することなく安定して経営していくには、
身の丈にあったやり方を貫くのが一番です。
めちゃくちゃ稼いでいる起業家さんの話を聞くと、もっと前に出ていかなきゃ!
と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、身の丈に合わない起業をしても、高確率で失敗することになります。
まずは拡大せずに、お金が残る骨太の会社にすること。
そこから満を持して拡大していけばいいのです。
何事も段階を踏んでやっていくことが、起業に失敗しないための鉄則です。
起業に失敗しないための掟⑤:全て1人で管理する
よく財務の管理を人任せにしている起業家さんがいます。
別に人任せにするのは良いのですが、社長であるあなた自身が
きちんと数字を把握しておくこと。
ここは非常に大切です。
財務を人任せにした結果、会社の資金繰りが悪化するまで
何にも気付かなかった・・・。
そういうケースは決してめずらしくないのです。
会社の数字を把握しておけば、尻に火がついて何か手を打てたかもしれません。
だけど、気付いた時には時すでに遅し・・・。
何度も言いますが、きちんと会社の数字を把握しておくことが、
起業に失敗しないためには重要です。
起業に失敗しないためには1人で全てを管理するくらいでないと最初は厳しいと思います。
税理士さんと協力しながら、毎月の売り上げ管理、経費管理を行っていく。
そうすれば、起業に失敗する可能性は格段に低く抑えることが出来ます。
起業に失敗しないための掟⑥:常に学び続ける
時代の流れは早いものです。
つい最近まで売れていた商品が、いきなり売れなくなった・・・。
そんなことは日常茶飯事です。
1つの商品しか扱っていないとしても、それがいつ売れなくなるかは誰にも分かりません。
そこに固執して思考停止になってしまうと、起業失敗のレールに乗っかることになります。
そうならないためにも、常に学び続けることが大切です。
まだまだ世の中には隠れた市場がたくさんあります。
その時に、いち早く参入することが出来るか?
それを実現するには常に学び続けて、チャンスを掴むための準備をしておく必要があります。
起業に失敗しないためには常に学び続けることで、経営センスを磨き続ける。
こういった日々の努力が大切になります。
さて、ここまでが起業に失敗しないための6つの掟になります。
まとめると、会社の数字をきちんと把握して、無駄遣いをせず、
きちんと納税しながら会社にお金を残すこと。
これが大切です。
調子がいい時にきちんと会社にお金を残しておけば、
経営が厳しくなっても起業に失敗することはありません。
なぜならばずっと利益が出ている会社は、そもそも市場の信用度が全然違います。
困ったときには必ず銀行が助けてくれます。
そのためには、会社にお金を残すこと。
この一言に尽きます。
ぜひ参考になさってください。
それでは、最後に起業に失敗しないために今すぐできる3つの秘策をご紹介します。
起業に失敗しないための3つの秘策①:必要以上に生活レベルを上げない
起業に失敗しないためには、会社にお金を残すことが大切です。
つまり必要以上に役員報酬を取らないようにしましょう。
一度役員報酬を上げてしまうと、それに見合った消費行動を取るようになります。
そして、一度上がった生活レベルはなかなか下げることは出来ません。
贅沢をするなと言っている訳ではありません。
起業家はサラリーマンと比べても非常に大きなリスクを背負っています。
その見返りが自分の役員報酬になるわけですから、それなりにもらうことは構いません。
でも、生活レベルを必要以上に上げることはお勧めできません。
起業に失敗しそうになっても、相変わらずの贅沢三昧。
そういう人をたくさん見てきました。
起業も身の丈、収入も身の丈、生活レベルも身の丈。
これが一番です。
起業に失敗しないための3つの秘策②:集客スキルを身に付ける
起業に失敗するということは、売上が上がらなくなったのが
もっとも大きな要因になると思います。
売上が上がらなくなったということは、お客さんが少なくなったということ。
つまり、お客さんを集め続けることが出来れば、起業に失敗しないということになります。
ですから、集客スキルはいまの内に身に付けておきましょう。
起業するということは、あなたは社長になるわけです。
社長の仕事は多岐に渡りますが、その中でもっとも大切な仕事がマーケティングです。
ここを人任せにしているから、売上が下がって焦ってしまう訳で、
そこを自分自身でクリアできれば少しのことでは動じなくなります。
起業に失敗しないためにも、ぜひ集客スキルを身に付けるようにしてください。
起業に失敗しないための3つの秘策③:中小企業倒産防止共済を使う
中小企業倒産防止共済をご存知ですか?
最大年間240万円、計800万円まで経費計上出来る制度です。
つまりその年の利益を240万円まで合法的に節税できる制度なんです。
この中小企業倒産防止共済に納められるのは最高800万円まで。
これは全て経費扱いになります。
しかもこの制度、売上が下がるなどした場合、納めた全額を受け取ることができるのです。
もちろん雑収入扱いになって、その年に課税されるわけですが、
そもそも会社が赤字なのであれば、全額課税されるわけではありません。
赤字分は翌期に繰り越せますからね。
中小企業倒産防止共済は誰でも使える、合法的な節税制度であり、
起業に失敗した時の保険となる制度なんです。
高級車を購入するとかの節税は無意味ですが、中小企業倒産防止共済では
いずれ戻すことが出来る節税になります。
ですから、こういった制度を上手く活用して、
起業に失敗した時の保険として使っていくことをおすすめします。
加入後40か月経過すれば、中小企業倒産防止共済に納めたお金は
全て戻すことが出来ます。
起業に失敗しそうになっても、この中小企業倒産防止共済の800万円があれば、
1年は十分に戦えるはずです。
1年もあれば経営を立て直すことは可能ですので、
起業に失敗しないためにぜひ活用したい制度となります。
中小企業倒産防止共済の詳細は下記ページで確認できますので、
一度詳細をご覧になってください。
⇒ http://www.smrj.go.jp/tkyosai/index.html
いかがでしたでしょうか?
起業に失敗しないためには、とにかく経費管理を徹底して、
無駄遣いをしないようにしましょう。
調子に乗って役員報酬を増やしてしまい、消えていった起業家を何人も知っています。
守りに入る必要はありませんが、やはり誰でも身の丈というものはあります。
あまり背伸びせずに、周りに流されずに、経営していくことが肝心かなと思います。
これから起業したいという方も、起業に失敗することへの恐怖感はどこかにあると思います。
でも、それ以上に起業というのは楽しいことの方が多いです。
やはり何よりも誰にも指図されずに自由に、自分がやりたいように仕事が出来る。
そしてサラリーマンのときには考えられなかった報酬を受け取ることが出来る。
やっぱり起業の魅力はそこにあると思います。
起業に失敗する可能性はゼロではありませんが、
起業に失敗する可能性を限りなくゼロにする方法はあります。
ぜひ、今回ご紹介した起業に失敗しないための6つの掟と、
3つの秘策を覚えていただいて、少しでもお役立て頂ければと思います。
起業失敗の恐怖を乗り越えて、起業への一歩を踏み出してくれる方が
増えることを願っています。