これからは『個』を大事にする時代であると言われて
久しいですが、ことサラリーマンの『副業』に関しては
まだまだその許容範囲が狭いというのが現状です。
しかしながら、色々と将来が不安になるような現状が頭の中をよぎると、
「副業でもして収入を増やしたい」
と思うのが当たり前の思考であり、頭の中をよぎるだけでなく
行動に移すというパターンが増えてきているようにも思います。
ここで言う『色々と不安になるような現状』とは例えば、
・給料が増えないのでは?
・勤めている会社が倒産するのでは?
・会社から解雇を言い渡されるのでは?
・地方への転勤を命じられて家族と離れ離れに暮らさなければならなくなるのではないか?
・年金が貰えなくなるのではないか?
などのこと指しております。
ここに挙げた例は決して現実味のない話ではなく、近年では当たり前のようにさえ
感じられるものもあります。
具体的な体感ベースの話をすると・・・
・額面上の給料が増えているかもしれませんが、それ以上に物価も上がっており、
緩やかなインフレ状態にある日本では実質的には生活費のコストアップに
給料の上昇が追いついていないという傾向がみられます。
・会社の倒産や自分自身が解雇を言い渡されるリスク、嫌がらせに近い転勤辞令が
下ることは最早当たり前のような現状になってきております。
それだけ会社も生き残るのに必死なのかもしれません。
・年金を含む社会保障に至っては、「お国が国民からお金を奪うようなことをするはずがない」
と期待をしながらも心のどこかで「もしかしたら、年金が貰えなくなるかも?」と思っている
方は少なくありません。仮に国が「100万円を120万円にして保障しますよ!」なんて
言ったとしても、そのカラクリはハイパーインフレによるお金の価値が目減りすることで
額面上は120万円であっても実質は10分の1の価値である12万円だったなんてことにも
なりかねないわけです。
このように、『色々と不安になるような現状』は決して空想レベルのものではなく、
現実的に起こるかもしれないものとして念頭においておかねばならないことは
言うまでもないことで、だからこそサラリーマンとしての給料だけに頼るのではなく、
副業禁止規定に目を背けてまでも副業に目を向ける必要性があるのです。
ただ、勤めている会社側からすると雇用しているサラリーマンが副業をすることは
管理に支障を来たすことに繋がることでもありますので、ここに勤めている会社と
副業をしたいサラリーマンとの溝を埋める必要性が出てきます。
ということで、今回は副業禁止に負けるな!堂々と副業をする為に
知っておきたい5つのポイントとして勤めている会社の副業禁止規定との
折り合いをつける方法をご紹介します。
契約上の折り合いがつければ言うことはないのですが、これは相手があっての話しなので、
せめて自分自身のこころの折り合いを付けるところまではしておきたいものです。
勤めている会社からの一方的な副業禁止に負けて副業を持つことそのものを
諦めてしまうのはもったいない限りです。
この記事の目次
■ 副業禁止に負けない為に知っておきたいポイント1 副業を禁止にする主な理由
そもそも勤めている会社が副業を禁止する理由はどういったものでしょうか?
その前に、サラリーマンが副業を始める目的をあらためて考えてみますと、
第1に挙げられるのは『生活費の補てん』です。
将来への不安が増える中でやむなく副業をと考える方が増えるのは
当たり前のことだと言えるでしょう。
その他に考えられることとしては、スキルUPや将来の独立のため、
単なる趣味の延長などがあります。
これらを理由にサラリーマンが副業を始めるわけですが、その勤務形態は本業が終了した後や
本業の休日といった勤務時間外ということになります。
そして、ここに勤めている会社が副業を禁止する理由が成り立ちます。
なぜなら、労働者(ここで言う勤めている会社で働くサラリーマン)は、
常に健康な状態で会社に労務を提供する義務を負っているからです。
過剰労働になってしまっては本業の業務に支障が出たりする可能性がありますし、
深夜の業務(副業)に従事することで翌日に遅刻や欠勤したりすることに
繋がる可能性があるということです。
遅刻や欠勤そのものも決して褒められたものではありませんが、それ以上に本業の後に
深夜遅くまで別のところで就業すれば睡眠不足になり、翌日の業務に支障が出ることが
考えられるということです。
その他にも、賭博業や風俗業等に従事していることが発覚すれば、企業のイメージダウンにも
つながりますし、勤めている会社に迷惑がかかります。また、同業他社でアルバイトを
したりすることは、情報が漏れたり、競業による営業への損害が発生するなんてことにも
なりかねません。そういう意味においては非常に問題があるということです。
それゆえに、勤めている会社からすると、副業を禁止することは致し方なし
ということになるわけです。
ただ、注意しておきたいのはここで挙げた理由は、
あくまでも可能性に言及しているというところでしょう。
■ 副業禁止に負けない為に知っておきたいポイント2 副業禁止規定による処分リスクは
副業を始めるメリットがあるとは言え、勤めている会社が副業を禁止している以上、
この副業禁止規定に反する行いがあった時は当然のことながら会社側から何らかの
罰を与えられる可能性があることは知っておく必要があります。
もちろん、法的に副業を始めることが問題がなかったとしても、勤めている会社が
就業規則として副業を禁止しているのであれば、罰を与えることが法的に不可能で
あったとしても、勤め続けるのが難しくなったり、周りとの空気感の違いから
居辛くなってしまうリスクが伴うことは知っておいたほうが良いであろうことは
分かるはずです。
では、副業を禁止している会社に副業をしていることがバレてしまった場合、
どのような会社からの処分が考えられるのでしょうか?
①訓戒、戒告
戒告は地方公務員法上、免職、停職、減給に次ぐ懲戒処分の一つ。
訓告は、内規で定めた処分で懲戒ではない。市人事課によると、市人事委員会規則上、
戒告を受けると毎年1月の昇給が通常の半額になり、毎年6月の賞与も通常より
2割減額される。一方、訓告を受けても給与や昇任に影響はないという。
今回の職員の処分は戒告4人、文書訓告72人、口頭訓告537人だった。
(引用元:コトバンク)
②減給
給料を減らすこと。特に、制裁や懲戒処分として、一定期間、その人の給料を減らすこと。
「経営不振で減給される」「減給処分」⇔増給。
(引用元:コトバンク)
③自宅待機
何らかの理由で自宅にいなければならないこと。感染症の蔓延(まんえん)防止のために
出勤・登校を停止させる、規則に違反した従業員の出勤を停止させる、業務の減少の
ために従業員の出勤を停止させるなど、理由はさまざまなものがある
(引用元:コトバンク)
④降格処分
組織における懲戒処分のうち、組織における地位を降格すること。降格人事を行うこと。
けん責、から懲戒解雇まで複数の段階がある懲戒の程度の中でも重大な部類に属する。
(引用元:weblio)
⑤諭旨退職(免職)
免職(めんしょく)とは、任命権者が公務員の職を一方的に免じ(解き・剥奪し)身分を
失わせる処分をいう。なお通常、免職という表現は公務員に対して使われ、民間企業では
解雇という表現が多い。
(引用元:weblio)
⑥解雇
使用者の意思によって一方的に雇用契約を解除すること。使用者の行使する解雇権に
制度的な制約を加えているのは労働基準法,労働組合法,労働協約,就業規則であり,
前2者は国によるもの,労働協約は労働組合によるもの,就業規則は使用者自身による
解雇権行使の自己制限とみることができる。
(引用元:コトバンク)
■ 副業禁止に負けない為に知っておきたいポイント3 実は副業を禁止できる理由はごくわずか
勤めている会社が副業を禁止できる理由として可能なものは過去の判例によると、
・労働時間や労働の性質からして、本業に支障が出る恐れがあるもの
・会社の秘密が外部に漏れる恐れがあるもの
というものが理由として成立するようです。
本来、就業規則というものは就業時における規則であり、
就業時以外の行動を拘束できる性質のものではありません。
つまり、会社の業務に従事していない、従事する必要のない時に、副業をしようが、
何をしようが、勤めている会社が何らかの文句を言うということは
そもそもとしておかしいということになります。
なので、勤めている会社が自分を含む雇用者の副業すること
そのものを細かくは禁止できないのです。
■ 副業禁止に負けない為に知っておきたいポイント4 副業禁止にめげないのは意識が高いということ
ここまで副業禁止に対する理由や禁止事項を破る事のリスク、
その他副業を禁止することそものの限定性についてお伝えいたしました。
ここで、副業をしようというあなたにお伝えしておきたいことがあります。
それは・・・
本業がありながらも副業をしてまでも、お金を稼ごうだとか、スキルUPをしようだとか
という思考の持ち主は意識の高い人に他ならないということです。
本業を抱えながらも副業を持つわけですから、その根本には本業の支えがあってこそ
ということになります。この支えとなる本業を疎かにして副業をするなんてことは
可能性としては低いのではと思います。
また、本業を抱えながら副業をすることは時間的にな効率化を図る必然性が
伴いますから、当然のことながら時間管理スキルが高い方でしか成り立ちませんし、
おのずと時間管理スキルが高くなります。
このような諸々の理由を考えても副業を持とうという方は意識が高く、
有能な人材であることの可能性が極めて高いと思うわけです。
■ 副業禁止に負けない為に知っておきたいポイント5 副業禁止でも全(まっと)うに副業をする方法
法的な拘束力に乏しいとは言え、本業を抱えながら副業を持つということで
最低限守らなければならないことはあります。
副業禁止でも全(まっと)うに副業をする方法は結論的に言うと、
『実は副業を禁止できる理由はごくわずか』で紹介いたしました
禁止できる理由に反しないこととなります。
まずは、競業避止義務に違反しないことです。
同業はもちろんのこと、関連性の高い業種への副業はNGと心得て下さい。
なぜなら、情報漏れなど本業の利益を圧迫する恐れがある行為だからです。
副業は、本業の利益に影響がないことをきちんと保証できるようなビジネスにしましょう。
そして、もう1つは、本業の労働に影響しないということ。
勤務時間中に副業を行うことはもちろんのこと、副業の疲労によって
本業の労働に影響があるようなことがあってはならないということです。
加えて、副業の職種によって、本業のイメージを悪化させるようなものも
当然のことながらNGです。
最低限これらを遵守することで副業を行うことは可能です。
とは言え、就業規則で禁止していることに対して堂々と違反されては
勤めている会社も良い気はしないものです。
だからこそ、次のようなことを頭に入れておくとなお良いです。
・個別に副業OKの労働契約を締結すること
・会社において必要な存在となること
・趣味的なものであるという立場をとること
・バレた時には隠さない(誠意を持って対処)
・争う姿勢を見せない
ぜひ参考にしてください。
ということで、副業禁止に負けるな!堂々と副業をする為に知っておきたい
5つのポイントをお伝えいたしました。
副業禁止に怯えて隠れてコソコソ副業をするのは決して気持ちの良いものではありません。
できることなら正々堂々と副業をしたいものです。